僕自身が物語と上手に付き合う為に。
悦楽るーぷへお越し頂き誠に有難うございます!
幼少期にスカートを着せられていた時期があるだけにマルルクちゃんの手遅れ感が痛い程よくわかるペケジローです。
メイドインアビスにはそれはそれはとんでもない大人達が登場するわけですが、奈落の存在によりこの世界の倫理観は現実社会とは大きく異なるものとなっています。
奈落という地上から隔絶された特殊な環境と、それに寄り添い暮らす人々独自の観点。
それらが登場するイケナイ大人達の行動に説得力を与えているのではありますまいか?
そして、物語の中のお話という前提があるから僕らもフフフと読んでられるわけですね。
そんなろくでもない人物に限って変に好感度がお高いので、現実と虚構の倫理観が曖昧になってしまいそうな気がしますのよね
ペケジローはあまりお利口ではありませんし(;´∀`)
まずは夢中になって読んでいる僕自身が分別を付けてお付き合いせねば…
と、いうわけで、なるべく世界観を考慮せずに彼らの行いそのものを振り返ってみたいと思います。
ターゲットその1 オーゼンさん
まずは作中でのオーゼン像を振り返ってみましょう。
数少ない白笛であり、不動卿 動かざるオーゼンと呼ばれており2層の監視基地の防人をしてますね。
千人楔を全身に120か所も打ち込んでおり機械人形レグをも上回るパワーの持ち主。
月笛ジルオもその知識を頼って訪れる、現状最も身近な白笛という事になるでしょうか。
表面上は( ゚Д゚)
問題はここからですよ…
マルルクは奈落で行き倒れていた所を保護されたそうですが、何故か男の娘として育て上げられております。
僕っ娘かと思いきや男の娘なのでえぇとええと…うわぁーわかんないよぉ~!ってなりましたよね。
これは女の子に可愛い服を着せてみたかった的な思いを拗らせただけなのかも知れん…なんて思ってた時期がペケジローにもありました。
しかしその考えは6巻到達時に裏切られる事になり申した…
扉絵コーナーに突如としてあらわれた、オースに暮らすシェルミとメナェ。
仲睦まじい姉妹が奈落の情報をお知らせしてくれとるんじゃろな~と、思いきや
あ”?姉弟!?
どちらも ~わ。わよ。と女子力お高い言動をしておるのに…片方は男の子だと!?
ここまでならばまだオースにも男の娘を嗜む輩がいるなんて程度の認識で済んでいたのですが
「不動卿 また来てくれるかな…」
不動卿…だと…?
えぇと、どの不動卿なんですかね…じゃ、ない!
オーゼンさん、マルルクでは飽き足らずオースでも暗躍してました。
かつての探窟家としての矜持はどこへやら…今では奈落の底より男の娘にロマンを求めちゃってます。
シェルミ達の男の娘としての完成度と見た目の幼さを考慮し、オーゼンさんの男の娘育成物語をザクっと妄想してみましょう。
幼少期、既に男の子として過ごしていたマルルクはある日不動卿に養われる事となり、何故か女の子の服を着用する事を強いられ現在に至ります。
しかし既に性別に対する自己認識が確立されていたマルルクは服装は違えども男の子。
故に一人称はボクでありリコさんの裸を見たら赤面しちゃう程に男の子。
言動の可愛らしさは恐らく師の教育的指導の賜物でしょうかね…俺って言ったら吊られる環境で育ったのかも知れません。
常に難癖つけて吊ったろうと考えている推定70過ぎのお師匠様はあろう事か吊られてる弟子を肴に酒を嗜むというかなり上級の趣向の持ち主…そのような人物との共同生活という茨の道を歩まされては無理も有りますまい。
さて、一つ屋根の下での男の娘との暮らしに味をしめていたオーゼンは、ある日オースで奇跡的な出会いと果たします。
生まれた直後に身寄りのなくなったであろう双子の姉弟。
姉弟と知っておるとするならば、諸事情あって我が子を育てられなくなった知人の子を養う形なのかも知れませんね。
最後にシェルミ達が登場した場面から考えるに、不動卿の支援を受けて姉弟二人で暮らしていたと思われます。
それはさておき、一卵性の双子の姉弟に出会ったオーゼンの脳裏には瞬時に悪魔の計画が浮かんだ事でしょう…
マルルクの完成度は高いが、
出会った時には既に男子としての自我をもっていた為どうも煮え切らない。
もっと…もっと先があるはずだ。男の娘の頂が。なんて。
もしこの双子を性差という概念を与えずに育てたらどうだろう?
瓜二つの姉の存在が、弟の育成の助けになるはずだ。
この子はきっと自分の性に一切の疑念を持たない男の娘になる。
自分が女の子であると疑わない男の娘に…素晴らしい。
その結果、我々は不動卿・動かざるオーゼンの行いに驚愕する事となったわけです。
姉弟の一文を発見した時の衝撃たるや凄まじいものがありましたぜ…
あっ…あいつ…!やりおったぁ!て感じ。
身寄りのない子を養う…ここだけ見ればとても素晴らしい行いです。
乏しい知識で社会に放り出される身の置き場の無さや心細さ、その時点から始まる過酷な人生を想像すれば実に慈愛に満ち溢れた立派な振る舞いと言えるでしょう。
流石白笛!不動卿って素敵よね…そこに痺れる憧れるぅ!等々、体裁的にも都合が宜しい。
それでは余計な背景を取っぱらって実社会の感性で断罪したりましょうぞ!
率直に述べますと、自身の社会的地位を利用して身寄りのない子供を保護と言う名目で確保し、ある種の名声を得つつも趣味の為に子供達に対してやりたい放題しとりますね。
うーむ、いまいち嫌悪感が足らんですね…オーゼンが女性だからでしょうか。
そいじゃいっちょ性別を入れ替える為にペケジローで例えてみましょ!
孤児院を運営しているペケジローは身寄りのない子を引き取り養育しているものの、その実夜毎少女の裸吊りを肴にヤクルトを嗜んでおり…
あかんやないか!捕まっちゃうよぉ!
なんで僕だと度し難さが増し増しになっちゃうんだこんなのずるいよぉ…世の中ジェンダーフリーでしょーが!
と、兎に角子供ってのは社会的に庇護されるべき存在という認識は得られましたかね。
そんなキッズ達にオーゼンさんは何をしたかと言いますれば
マルルク少年に女装を命じ女子力高めに育成したり
シェルミ姉弟に至っては性差の概念を教える事無く育成すると。
彼らの人生を自身の趣向の為に無責任に歪めてしまっていますわよ…
マルルクちゃんも最早軌道修正不可能なラインに到達してそうだし、シェルミ姉弟は何も知らぬ間に最後まで不動卿を慕い、その短い生涯を閉じる事になりました。
オーゼンさんがキッズの置かれた境遇を利用し自分の都合の良いように育成しているのは人道的にはアウトですが、
奈落の街オースの社会通念や主要産業が探窟家業という背景、マルルクや姉弟たちがまんざらでも無さそうに思えることで作中ではなんとなくセーフな雰囲気となっているのですね。
マルルクも姉弟も笑って過ごしていたもんね。
環境に順応し目当てのお宝を発掘する…ステージは変わっても男の娘探窟家として活躍するオーゼン…恐るべし。
実社会では即刻逮捕されちゃいそうですけども。
ふと今になってハボさんのこの発言が気になったでござる…
もしかしてハボさんはオーゼンさんの男の娘好きを見抜いていたのではあるまいか…!
「詳しく俺から言う事は出来ない」
知っている事を知られたら消される
「リコには辛い事がある…かも知れん」
手足を縛られたリコの目の前で嫌がるレグを無理やり女装させる展開を予想していたのかも!?
※全然違います。
ターゲットその2 黎明卿 新しきボンドルド
武装はカッコいいし言葉遣いも丁寧で紳士的、そして奈落の解明に極めて有効な研究の成果を上げてるボンドルドさん
おやおやおや!のセリフや紳士的な言葉使いとは裏腹にクレイジーな行動をブチかます卿は謎の好感度を獲得しておりますね。
嘗ては純粋な奈落ロマン研究ガチ勢だったに違いないボンドルドさんが、その強い憧れゆえにゾアホリックへとたどり着いた結果としてクレイジー卿になってしまったように思える所も関係しているのかも知れません。
力場の副次的効果である祝福を教えてくれたのもポイント高いですよねぇ
奈落の謎を知りたい気持ちは読者も強く持っておりますし。
しかしボンドルドさんは作中でとっても酷い事をしているんですよねぇ
凄惨過ぎてこんな奴は物語の中でしか存在しえないという考えを抱かせるところも度し難い。
それではボンドルドさんの作中でのやらかしを振り返って行こうと思います。
セレニから孤児を連れ去る
ナナチの回想では、ボンドルドが言葉巧みに孤児を誘拐してますね。
今や常識に左右されない新しいアプローチが試される時と考えます
極北の要であるセレニの地…
私はここに奈落の次世代を切り開くに相応しい子供たちを見つけに来ました
深淵に踏み入る事も厭わない勇気ある子供たち…
どうぞ一歩前へ
ナイススピーチですなぁ~
さり気なく白笛アピールまでして子供たちのハートをミラクルキャッチです。
こんなの孤児達からすれば、ボンドルドが探窟家で身を立てるチャンスを与えてくれるようにしか思えませんよね。
結果はあれでしたけども。
腹立たしい事にボンドルドは嘘は言ってません。
それでは添削してみましょう。
・常識に左右されない新しいアプローチ
お上品に言い繕っていますが、ここで言う常識ってのは倫理観を指しているのでしょうね。
倫理観に囚われない、非常識なアプローチが必要。
・奈落の次世代を切り開くに相応しい子供たち
これは奈落の次世代を切り開く為の道具として利用するのに都合の良い、居なくなっても騒ぎにならない子供達って意味でしょうね。
その後に続く見つけに来たという言葉も厭らしい。
勧誘しに、では無く見つけに来た。
「か、勘違いしないでよねっ」という事でしょうか。
そう思うのは勝手だけどこちらはそんなつもりは無いって事を匂わせておるような…狡猾さが伺えますね。
・深淵に踏み入る事も厭わない
事実、子供達は奈落に踏み入っているわけですが、もしボンドルドが後継を育成する気だったなら「踏み入る」では無く「挑む」という言葉を使っていたはずです。
孤児達に言葉の裏が読めるはずもなく…スピーチ全体が意図的に勘違いさせる為のものと考えて良かろうと思います。
このようにお上品な振る舞いの裏に害意がポロリしちゃってるんですねぇ
知らない大人について行っちゃいけません!と注意する親の居ない、そんな孤児達を狙った卑劣な犯行にございますよ…!
孤児ならばオースにも居ます。
ナットはベルチェロ孤児院に来る前は姉御と一緒に暮らしていたと言ってましたし…そのような子達は他にも居るでしょう。
が、オースで子供たちを連れ出すと足が付きやすく後々面倒、かつ白笛としての名声にもよろしくない。
そこでわざわざ北の果ての孤児たちを選んだと…
思いっきり悪意有っての行動ではあるまいか?
子供達を人体実験やカートリッジの素材に。
密かに前線基地へ連れ込んだ子供達は、ボンドルドが奈落の謎に挑む為の糧として活用されていきました。
一人、正義感溢れる黒笛がボンドルドのやり方に苦言を呈する場面がありましたが…
この言い草よ…
ちょっと何言ってるかわからないので理解に時間がかかりますが要するに…
負荷的に二度と地上に戻れない子供達を連れて来ちゃうなんてどういうつもりなの!?
って言われたので
連れてきた子達は人間扱いして無いので、人道とか気にしなくてもへっちゃらなの!
とお返事しました!
モラルがなんだかわかってないボンドルドさんならではのお返事ですがそういう事じゃない。
「連れてきたくらいで何言っちゃってんの?」という常人とボンドルドさんの認識のズレが垣間見える場面でもありますね。
意図的に6層の上昇負荷を与えたりカートリッジにしているわけですし。
そういえば正義マンの発言によって、実験の為に連れてこられたのがセレニの17人だけではない事に気付きました。
17人てのは移送中の内部の様子から推測したものですが。
さてそのセリフとは
あの数の人間を五層に…それも海外の子供達まで…
というもの。
まで(; ・`д・´)
海外の子供達ってのがナナチ達の事とすると、こちらの方がおまけっぽい言い方に思えます。
思っていたよりも多くの人間が実験体にされていたようです。
実験の中身
6層の上昇負荷(死か人間性の喪失)の押し付けに関する実験
ナナチとミーティが受けた、カートリッジ開発の基礎となったもの。
実験内容を説明している際にボンドルドが「可愛らしい生体を二つも使うのは惜しいですが…」と言ってますね。
二人とも高確率で死ぬとわかって実験していやがります。
6層の負荷を受けたらどうなるかというと…
ごらんのとおり耐え難い苦痛を伴うようです。
子供を攫って来てこんな風に痛めつけるなんてとんでもねーことですわよ…
前後のボンドルドの様子を見るからに、ナナチ達以前にもこんな風に軽い気持ちで負荷実験しまくってたんでしょうねぇ
箱庭には夥しい数の成れ果てが居ましたし。
ここ、昇降機の下にも居たと思うんですよね…
上昇を始めた時になんかそこにへばり付いているような描写がありましたし(;゚Д゚)
カートリッジの正体
ボンドルドのとっておきのマル秘アイテムであるカートリッジは、呪い除けの効果を持ち、通常生きては帰れない6層からの帰還を可能にするめちゃスゴアイテム。
しかし、ナナチのお口からエグい詳細が語られておりましたね。
この辺からボンドルドさんはおつむの病気なので仕方ないと思いがちに…
ふわふわナナチもお手伝いしていたと判明しますので、こちらとしても責めるに責められませんね。
ナナ質とは卑怯なり…!
しかしながらここではイケナイ事はイケナイのだと強い気持ちで振り返っていきたい。
よって、カートリッジ乱造に関してはナナチも一部同罪と認めねばなりますまい…
でもめっちゃ後悔してるので許してあげて!
ここで唐突に+αの被害が判明しました。
カートリッジには消費期限が存在する。
加工された子供達はそう長くはもたない…ならばナナチがモフモフになった後に製造を手伝った子達はナナチ達よりも後に連れてこられたのでしょう。
さらにレグとの最終決戦時には5つのカートリッジが消耗されており、
それぞれレシーマ、ターキリ、トーレイテア、ノベロ、プルシュカと名を呼ばれております。
名前覚えててあげるわたし…素晴らしい!とでも思ってそうな所にイラっときちゃう。
それぞれプルシュカとそう変わらぬ時期に加工されたのだと考えると…リコ達の訪問時にはまだ生きていた可能性がありますね(;゚Д゚)
夥しい数の子供達がボンドルドによって酷い目に遭わされていたに違いない。
祈手になれなかった人達
祈手の実態は全員中身はボンドルドであり、縦スリット仮面の者がボンドルドとして振舞っているに過ぎないと思われます。
実際はボンドルドによるボンドルドの為のボンドルドごっこを見せられていたわけですねぇ
そんな、ボンドルドが永遠に研究をつづける為に重要な器となる祈手ですが。誰もがなれるわけでは無かったそう。
前線基地の地下では何人かの祈手になれなかった人達が存在しており、皆一様に頭部を損傷しておる様子。
この祈り手になれなかった人達は
ゾアホリでボンドルドを植え付けられたものの、ボンドルドへの叛意が有る為に精神を支配したボンドルドが頭部を損壊せしめたのではなかろうか?
先の子供達を連れてきた事を責めた黒笛がこの人なのかもしれませんね。
このようにボンドルドさんは自分に都合に悪い者を始末していると思われます。
これを祈手になれなかった人、なんて言い方するのは意外と世間体気にしてるっぽくて厭らしいですね。
プルシュカ
結果から見れば、プルシュカを大切に?育てていたのは自らがアビスの祝福を得たいが為でした。
悔しい事にボンドルドさんの育成方針は的確だったようで、プルシュカの愛慕はボンドルドにモフモフボデーを与える結果に。
でも普通の人なら本当に大切な娘をカートリッジには詰められるもんじゃありませんよねぇ
見様によってはプルシュカが最後までパパの愛を疑わずに幸せな事かも…見せられたこっちは堪ったもんじゃありませんでしたが。
ボンドルドさんのイケナイ事まとめ
ボンドルドは我々が思った以上に大勢の子供を誘拐し、実験やカートリッジに利用しています。
6層の上昇負荷は一度喰らったら大人でもアウトであり、カートリッジに詰められた子達の命は期限付き。
五体満足で負荷を押し付けられた子達は成れ果てとなって生き永らえる可能性はあるものの、カートリッジに詰められた子達はその消耗の激しさによって最終的に皆死んでしまうのではなかろうか?
このように消耗品として扱われた子供達の辿った運命はどれも等しく苦痛を伴うものでした。
カートリッジ化手術は麻酔無しですよ?
弱い立場である子供の憧れを、己の憧れや探求心の為に踏みにじり痛めつける。
こうして改めてボンドルドの行いを振り返ると、もはや好感度とか言ってられる次元のキャラでは無いように思えてきます。
他にも都合の悪い者を人知れず始末しているようでもありますし。
白笛と言うステータスもしっかり有効活用してますよね、白笛じゃ無かったらただの犯罪者だし。
そういや白笛なのになんか指名手配されちゃってるんでしたっけ…上手に出来なかった時もあったらしい。
うーん、もしかすると酷過ぎる事が返って架空の存在と思わせる事に貢献しているのかも知れませんね。
ボンドルドへの好感度は、やはり架空の存在だからこそという事を強く意識しておかねばなりません。
こうして物語上の現実においては許容できない出来事をいちいち振り返っておくことで、いざと言う時に正しく判断出来るようにしておきたいペケジローでした。
いざってどういう時かわからんけども。
ターゲットその3 決死隊
今回は意図的に不快感を伴うかもしれない考え方をしておりますので、人によっては気分を損なう恐れが有りますが御免なすって。
訓練されたアビス好きであればへっちゃらかも知れませんが念のため。
昔々に黄金郷を求めて奈落へやって来た彼らでしたが、6層へ足を踏み入れた途端に環境は一変。
確保した飲み水は寄生虫の温床であり、宿主の肉を溶かすその作用は人体にとって致命的。
だからといって周囲に水もどき以外の安全な飲み水を確保出来る場所も無く、命に関わると知りながらも摂取せざるを得ない状況でした。
このように隊の壊滅という窮地に追い込まれた彼らでしたが、とある方法でその窮地を乗り切る事に成功しました。
それは、イルミューイが産んだ子の肉を喰らう事。
揺籃の力で変わり果てたイルミューイが産んだ子、その肉には水もどきの症状を改善する力がありました。
なんでか知らんけど事実として効果が有るのは皆回復していた事から確か。
問題はその効果に気付く切欠です。
恐らく神懸かりの預言者と言われるワズキャンは元から知っていた為そのような行いに踏み切ったのでしょうが…もし偶々閃いちゃったというのならもはや狂気ですよね。
そして我が子を喰われたイルミューイの無念がどれ程のものなのか?
僕もそうでしたが、実はピンと来てない人も多かろうと思います。
致し方ありませんねぇ、このように見た目が思いっきりウサギっぽく、どちらかというと食材寄りなので(-_-;)
モフモフだし。
僕が想像していた彼女の無念度合いは、ペットのウサちゃんを食べられちゃった程度の認識だったかも知れませんねぇ。
しばしば視覚情報に引っ張られがちです。
しかしながら、姿形は違ってもこの子は紛れもなく人であるイルミューイが産んだ子なのです。
ド直球に言いますと人の子なのです。
読者がイルミューイの身になってその無念をイメージするには、このビジュアルを人の赤ちゃんに置き換えれば分かりやすいと思います。
うーん…イメージし辛い。
それじゃ丁度良いリコさんの赤ん坊時代のお姿を置いておきましょうね。
OMG…自らエグ味を増して振り返る事になろうとは(゚Д゚;)
でもそういう事だし…挫けちゃいられねぇわよ準備はOK。
生まれたばかりの赤子を母親から取り上げ
使った、鮮度、ツヤ等のゴツいワードを吐き出した後に躊躇なくクッキング。
この時点で食材扱いしちゃってますね。
隊の存続の為には仕方のない事。
皆の命が掛かっている。
このような状況を免罪符にノリノリでお料理をして皆に振舞う。
最初にヴエコさんに与えた時の状況を元に推測しますと…ワズキャンはそれが何であるのかを伝えずに食べさせていたようです。
教えたのは味の虜になった後。
それまで魚肉ソーセージしか知らなかったペケジローにシャウエッセンを振舞うが如き所業…それを知ってはもう元には戻れない…なんて恐ろしい事をしやがるんでしょう。
ワズキャンはヴエコさんに子殺しの過程を見せつけたばかりか…慄く彼女に対しトドメの一言を放ちます。
料理( ゚Д゚)
イルミューイの子は、ヴエコさんにとって孫のようなもの。
それなのにこんな事言っちゃうワズキャンはやべーですわね。
この時のワズキャンのイルミューイの子に対する感性にはやはり覚えが有ります。
子の姿からイメージしていた僕と全く同じなのでは有るまいか?
実はイルミューイの子に対する認識は、ワズキャンでは無くイルミューイ寄りで捉えるのがお話的に正しいのではなかろうか?
そう疑い始めた事でこんな記事を書くに至りました。
その後も隊の者達は置かれた状況を免罪符とし、イルミューイから生まれてきた子を食べ続けます。
イルミューイの観点で捉えれば、
巨大化し動く事が出来ない自分の元から生まれたばかりの我が子を連れ去り喰らう者達。
その行いはイルミューイがいくら叫んでもそれは止まらず、逆らう気力も無くなる程に繰り返されたのでしょう。
姿形からイメージし難くともイルミューイにとっての子供は人間の赤ちゃんと変わりません。
子の見た目を人間の赤ちゃんに置き換える事で、先のワズキャンの振舞いを振り返れば実に忌々しいものに感じられます。
これはベラフさんの反応からも察せられますね。
水もどき症は改善されたはずなのに、日々やつれていくベラフさん。
瞳から精気は失われ、言葉も上手に話せなくなるほどにメンタルヘルスを損なっている。
善く生きる事、そう在る事で自らに誇りを持っていたベラフにとって食人は禁忌であり、仮に必要に迫られたとしても絶対にそれだけはすまいと思っていたのではあるまいか?
それが、差し出されたモノが何の肉であるかを察しながらも、自ら進んで美味しく食べてしまったと。
末の妹の産んだ、人の赤子を。
ベラフさんのこの反応こそが、イルミューイの無念と対になっているのでしょうね。
ここらでまとめてみますと
窮地に追い込まれ赤子を喰らい続けねばならなかった人達のイルミューイの子に対する認識は食材寄りで、
我が子を喰われ続けたイルミューイの認識はそうではなく、人の赤ちゃんを食べられているに等しい。
ただ一人ベラフだけがイルミューイと同じ認識で事態を受け止めていたって事でよかろうか。
このような場合、被害者視点で事態を捉えるべきという認識なのですが、ペケジローは不覚にも加害者と同じ食材寄りで受け止めちゃっていました。
こうして振り返ってみるとヴエコさんの言うように、イルぶるの成り立ちは呪われているものだったのですねぇ。
なしてわざわざエグ味のある見方をしたのかといいますと。
際立った部分だけ振り返ると、メイドインアビスでは子供達が大人に都合よく虐げられている描写が多々見受けられますね。
どれも現実に置き換えるとなると想像を絶するものがありますが、だからと言って現実の人間に同じ事が出来ないわけではありませぬ。
ペケジローもフィクションである事を前提に作品を楽しんでいるつもりではありますが、これはフィクションだから、わかってるから、と思いつつも知らず知らずのうちに事象そのものに対する反応が鈍っていたりせんじゃろか?と心配になったんですよね。
以上の理由により、自戒の意味を込めつつ、作中で描かれた子供に対するイケナイ事をした人達を振り返ることとなりました。
そして最終的に現実にこんな事する奴らが居たらメチャ許さんぞ!という己の意思を確認する事が出来ましたぜ…
これで自分がこの先もメイドインアビスを楽しむ為に必要な、確固たる線引きが出来たかと思います。
上手に言葉に変えられていない部分も多々有りますが、最後まで読んで頂き誠に有難うございました(;´∀`)
そういえば祈手になれなかった人たちって映画では出てきませんでしたよね
尺的な問題なのかさすがに倫理的にちょっと…だったのか…
あるいは両方だったのかも知れませんね~
ボンドルド酷いひど~いと言いつつ実は興味津々ですので、彼らが祈手になれなかった人達になるまでの過程も知りたくてモジモジしております。