読み物

千年狐、7話と8話の感想と1巻でたでた

投稿日:2018年11月10日 更新日:

今なら第一部が丸ごと8話まで公開中でありますのでこちらで是非に!


11月21日に1巻が発売されたら消えちゃうかも?

僕が読んだ所々の感想なのであらすじとかはよくわからない可能性がありますね…いろいろ雑なやろうでありますし。
もし気になったら作品を読めば良かろうと思います。
読んで損する事は絶対無いと断言しちゃうくらい僕はこの千年狐という漫画好き。

7話8話の感想

さてさて、7話は第一部の締めくくりに相応しいお話であった…!
これまでの登場人物が総出で盛り上げてくれちゃうことでまた読み返したくなっちゃう。
4話までは1話完結形式だったのに、5話から徐々に物語が動きだし、7話で全てが繋がる感じがたまらん。
全ての出会いはこの日の為に。そんな印象を受けるので嫌でも揚がる良い構成。

ちらっと一コマ登場した、萬祥とニャホタロー(仮名)、彼の手紙が張華を廣天の元へ送り込む助けになったのだと思うと感慨深いものがありますね。

© 2018 張六郎

さらには宋大賢の孫がわざと廣天の頭を打ち抜かなかった事、これは三話で彼のおじいさんとヘイヘイがイチャイチャした事によって得られた結果ですよねぇ…

© 2018 張六郎

さらにその時の敗北をきっかけに修行したヘイヘイは超巨大な毛玉となってました。

© 2018 張六郎

僕、千年狐のマスコットキャラはヘイヘイだと思う。
グッズ販売の時にはそうですね…弾力のある生地にビーズクッションの中身を限界まで詰め込んでヘイヘイの顔をプリントしたものを作ってほしい。
そうすればほれ、この夢のような光景が体験できる素晴らしいアイテムとなるはず。

© 2018 張六郎

これは孫に見られちゃいかん光景。
祖父の威厳的に。

2話で登場した渾と周式の助けも素晴らしい。

© 2018 張六郎

特に周式、あんなに駄目だったのに出来る男になっちゃって…あの周式が…ビシバシ動いて廣天を助ける。
渾ちゃんは職権乱用してまで。
お話の盛り上がりもさることながら、
これまでの各話のパワー全てを集めたような高揚感はまさにクライマックス。

皆の助けを借り、友の為にひたすら駆ける廣天がとても熱い!
ゆるキャラだと思って舐めてましたのでね、この熱さにちょっと感動しちゃいます。
燃え盛る華表を助ける為に、臆さず飛び込む廣天の激熱っぷりをみよ!
あっ…見ましたよねそういえば。

© 2018 張六郎

そして最後はいつものほっこりとした雰囲気で終わる…と、思ったら1部の最後にきてものすごいヒキをぶちかます。
このコマを見た読者と廣天の感情シンクロ率が恐ろしい数値である事は明白…1万%くらい。

© 2018 張六郎

涙あり笑いありでその上激熱…最後はほっこりしてめでたしめでたし…かと思ったら最後の最後でびっくりするようなヒキを捻じ込んでの第一部・完
お話上手カヨ…滅茶苦茶気になるヒキでしたね。

阿紫と冥府の関係
廣天の正体を匿名で投書したのはだれなのか?
何故、冥府は廣天を手中に納めようとするのか?
渾も関係しているのか?
このように様々な疑問を抱かせておきながら1部はこれでおしまい…2部も読めってことですね。
ここまでを一冊に詰め込んだら恐らく一巻だけ読ませて嵌まらせる作戦で恐ろしい威力を発揮しそう。
名作やないか!
さてさて…21日発売の第一巻はどこまで収録されるのか。
五話までだったらなんか普通よね…

そして第二部の始まりである8話
いきなり新キャラの男性が登場か!と、思ったら廣天だった。

© 2018 張六郎

いやなんというか…短髪だし…もういいや、胸が本当に慎み深いんだもの!
目元のホクロなかったらわからんかったよ…

場面変わって、なんと前回沸いた疑念を渾ちゃんが早々に追及せんと動き出す。
渾ちゃんは廣天贔屓で確定ですね。
どさくさに紛れて渾ちゃんの正体暴露。

© 2018 張六郎

渾沌と名付けられた、五感のない不思議なぷにぷにに阿紫が妖術で人に化ける術を教えた…
うーむ、6話での華表とのやりとりを思い出すとこれまた謎が残りますね。
生き物は気を吸いとられるからと、渾に廣天を抱かせてたっけ…と、いう事は生物ではない?
渾ちゃんもまだ謎を秘めていそうです。
あとね、せっかく僕が気を効かせてきっと桃の精なんだ…とか思ってたのが台無し。
これは…尻だ。
渾の溜息はもうおならとしか思えないんだ。

渾ちゃんが阿紫に教えて貰わんでも、妖狩りの勅命を出した皇帝に直接聞いてやるわい!と言い出した時、阿紫が感心したような表情してました。

© 2018 張六郎

恐らく真相を知るための行動としては正解だったのでしょう。
が、ここで阿紫のカレピである霊考が登場し、渾ちゃんの行動を阻止しちゃいます。

© 2018 張六郎

この男、前話のヒキにも登場してましたが…阿紫と出会ってから千年は経っているはず。
卷属になると歳を取らないのかな?
話の流れで、阿紫から廣天の力という言葉が。
それがどんな力であるのかはわかりませんでしたが、冥府の狙いがちらっと見えてきました。
廣天の力とやらを利用してなにかやらかそうとしてるんだなー?

余計なことをしないように幽閉しとこ!というカップルの思いつきにより渾ちゃん大ピンチ。
そこにナイスタイミングで周式が救援に現れました。
あんなに駄目なこだったのに…立派になったなぁ…
渾を霊考から逃がした様子をみて、お、おまえってやつぁ…なんてじ~んとしてたらこうなった。

© 2018 張六郎

やっぱりドジっこのままだった。
すげーカッコよく渾を逃がしたと思ったら渾ちゃん地面に脳天直撃。
これ、普通の人なら死んじゃうやつだよ!
居るんだよねぇ…親切心から良かれと思ってしたことでより一層ダメにしちゃう、そんな才能を持つ者が。

気絶した渾ちゃんの目の前には1話で廣天に冥府に送ってもらったアヒルと、名付け親の鳥がいた。
どちらも廣天の縁の深いやつらですね、元気そうでちょっと嬉しい。

© 2018 張六郎

そうか…死んでも冥府に行けば会えちゃうのか…あんまり死に別れって感じじゃないね?
そう思っていたらアヒルの口から今回の騒動に関係するヒントっぽい情報が出ました。
人間への転生が最近滞っている。
うーむ、冥府は何をしようとしてるのか。
もっとアヒルから情報が出てきそうな気がするんですが、鳥が大帝からの預かりものしてたんだわ!と話が変わってしまいました。
その中にあった指示書には廣天のいる場所が記されており、渾は廣天のいる所へ足を運ぶ事に。

目的の場所に到着した時、タイミングよく寺から出てくる達人ぽい爺と廣天。
うーむ、廣天が短髪にするとイケメンにしか見えないですね。
慎ましいから。
廣天は華表を守る事が出来なかった己を悔いて、武術を学ぶ為に入門していたらしく、丁度修行を終えた日であった様子。

© 2018 張六郎

と、思ったら破門されてた。
免許皆伝じゃなくて破門だった。

© 2018 張六郎

武術の才能はびっくりするくらいポンコツとの評価。
渾が師父に事情を聞いた瞬間、淀みなく溢れる廣天へのダメだし…壮絶な内容もさることながら目を見張るべきは師父の淀みないセリフの流れでしょうか…
長い間口にはせずとも頭の中で練りに練った言葉であることが伺えます。
そしてトドメの言葉も苛烈

© 2018 張六郎

腐ったミカンが!とかなかなか聞くことないよ?
トドメに大事な事なので破門と六回も言われて寺を去ることに。
ここまで言わせる廣天…逆にすげぇ。
そしてここまで読んできて気付いたんだけども、廣天って人の時も狐の時も、何を言われても怒らないね?
冗談でも怒ってるところを見た事がない。
なるほどなるほど…こういうキャラの立て方もあるんですなぁ…勉強になるなぁ。
僕、漫画描いたりしないんですけど。

行き先はどこかわかりませんが、荷馬車の上で渾ちゃんが突然泣き出し…阿紫が血を託した時の様子を語りました。

© 2018 張六郎

涙を流す渾ちゃん…もう汗ばむお尻にしか見えません。
自分の命よりも廣天を生かす事を優先していた彼女が、どうしてあの騒動に関与する事となったのか?
渾は冥府に戻り、阿紫の事は廣天が調べる事にして一段落。
と、思ったら今回一番のきらめき場面が始まりましたよ…
失せろとか破門とか滅茶苦茶言ってた師匠が走って追いかけてきた!

© 2018 張六郎

まず結構時間経ってるはずなのに走って追いついてるってのが…師父超強い。
そして、コケてまた立ち上がって追いかけて。
様式美ですなぁ…このコテコテな感じ…大好き。

© 2018 張六郎

師父、これが伝えたくて走ってここまでやってきた。
旅立つ廣天を想って励ましの言葉を伝える為に追いかけるなんて、あったけぇ人じゃねぇかい…
ちょっと辛辣なセリフが混じってるけどハートは伝わる…はず。

© 2018 張六郎

ほら伝わってる!
ええ話や…武術はカスカスのカスでゴミ以下とか斬新かつパワーのある言葉が混じってるけど、気持ちはこもってるからセーフ。
ホントに廣天の事を心配してそうな表情しているし?
こんないい人にカスカスのカスとか言わせちゃう廣天の残念っぷりが気になるところ。

かくして廣天と炭片は旅にでる…という事でおしまい。

回を増すごとに面白くなってるなぁ…師父とかこれっきりでは勿体ないくらい良いキャラでした。
きっといつか廣天がピンチの時にやってくるに違いない。

折角謎を用意して貰ったので、気になるところをちょこっと考えてみよう。

まず、阿紫の言う廣天の力とは何か?

これは交流した人に無意識に不幸をもたらしちゃう、そんな類の力なのかも…?

長い付き合いの華表を見てみると、神木から伐採されて華表に、そして今度は燃やされて炭片へとジョブチェンジ。
命は失わなかったものの、かつて神木であった彼の現状は炭片です。
でも大地に縛られていた彼が今はモバイル炭片ですからね、廣天に背負われてどこにでも行ける行動力を得たと考えるとそんな悪い事でもないような。

他には…7話で廣天を牢から救出した張華を襲った不幸がピンポイント過ぎる所かな?

© 2018 張六郎

丁度良い形の瓦礫が丁度裾を貫き行動不能にしてくるという、そんな奇跡的な不幸。
その後柱が倒れてきたところを友人に助けられますが、どう考えても超絶アンラッキー。
そして、あの人の良さそうな師父が廣天をあれほどボロクソに罵ってまで破門せねばならなかった理由も関係有りそう。
廣天の余りのひどさに周囲の者が混乱し、
ある者は拳の握り方を忘れ…
一瞥にも値しないと目を突く者や自我を失い森に還る者まで現れたとか。
これは酷い…でも廣天がへっぽこなだけでそこまで混乱するだろうか…?
なんとなく、不幸に見舞われたのは皆廣天に好意的な者たちな気もしますね。
なので、廣天の力というのはおりゃー!と意識的に発揮するものでは無くて、無自覚に影響を与えちゃう厄介な力なのでは無いかな~と思っています。

で、渾が言っていた何か理由があるに違いない阿紫の行動。
先の廣天の力が合ってるとすれば、人懐っこく優しい廣天がそれに気付いたら周囲の者の為に人から遠ざかる事を選ぶような気がします。
阿紫が廣天を冥府に連れてこようとしているのは、廣天を想っての事かもしれませんね。
命を賭して血を分け与えた廣天を害するとはとても思えないし。
華表と折り合いが悪いのはその辺も関係あるのかも?
こちらも命を懸けて廣天を生かそうとした木ですからねぇ…阿紫がその事実を告げたとしても拒否しそう。
お父さんお母さんによる廣天の教育方針、その意見の相違によるギスギスなんですかね~?
僕は廣天の知り合いは皆良い人だと思いますのでね、きっとそんなしょうもない理由だと思います。

でも冥府は大帝の上の方から廣天獲得指令が出ている様子。
と、なると阿紫は冥府の思惑を利用して廣天に良いように事を運ぼうとしているのかな~?

冥府の目的は廣天の力だけなんじゃろかー?
阿紫と霊考が渾を本気で幽閉しようとはしていなかった事。
冥府大帝の指示書には廣天の元に行くよう記されていた事。
なんだか渾ちゃんを誘導しているようにも思えます。
そして渾沌の意味を調べたらなんかすんごいの出てきました。

四凶と言われる四柱の悪神の中の一つとか。

渾沌こんとん
饕餮とうてつ
窮奇きゅうき
檮杌とうこつ

もしかすると渾ちゃん以外にも冥府に居たりするんでしょか?
悪神というには良いキャラ過ぎる渾ちゃんを本来の性質に戻す為、渾と仲の良い廣天を利用する作戦なのかなー?
ほんとにもう、1話完結で特にあれこれ考える事も無いと思っていたら謎めいた展開がモリモリ捻じ込まれてきて面白い。
読んでればサクッとスッキリ疑問を解消してくれちゃうと思うんだけど先のお話が気になり過ぎてあれこれ考えちゃう。
謎あり、涙あり、笑いありとまぁ彩り豊かな作品ですね、千年狐。

© 2018 張六郎

おっ、炭片も新たな旅にノリノリやないか…いいねいいね!!
英語まで使ってやりたい放題な感じのこの緩さも堪らんですね~
今から9話が楽しみです。
あと、1巻の収録数をめっちゃ気になります。
7話まで収録なら最高かよ!と興奮しちゃいそう。

1巻発売 11/21

それではとりあえず、最高かよ…最高かよぉー!
1巻に1部丸ごと収録というギュッと詰まった嬉しい仕上がり。
やはりコミックは次のお話が遅滞なくモリモリ読めて良い…特に5話からラスト。

表紙に描かれた廣天のポーズも良いですね。
お顔が初登場時よりも丸みを帯びており、視界からお胸を遮り慎ましさをカバーしていますのでこれならぱっと見ても女人だと認識出来るでしょう…
緻密に計算された構図…プロカメラマンですか?

張六球先生のおまけ漫画もキャラの持ち味活かしまくってて良かった!
ここはコミック購入者への特典って感じなので内緒にしといた方が良いじゃろか…でも一か所だけ黙ってはいられないコマがあったのでそこだけお借りしつつ僕の願いを叫びたい。

© 2018 張六郎

なにこれ…ヘイヘイ人形めっちゃ欲しい(; ・`д・´)

あと、参考文献として記載されている書籍の中に興味深い作品がありました。
それは張華の博物誌
これってつまり、物語に出てきたあの張華が書き上げた書物とも捉えられるので読者としても縁の深い作品と考えられるのではなかろうか?
張華という実在の人物を登場させる事で、作品の世界と現実世界の関わりが感じられてなんだか以前よりもグッと近くなった気がしますぞよ!

この他にも多数の書籍を消化吸収して千年狐という面白いお話に変えて楽しませてくれているわけですね。
そして絵も巧いわ笑かしてくるわ泣かしてくるわ…一コマにさり気なくキャラの想いを描いたりしてじ~んとさせたりしてくるわ!
うむ…うむ…この作品、ペケジローのお宝として認定致す!

お話の完結まで変わらぬ奔放さで駆け抜けて頂きたいですね~

おれ…数巻出版されたら1巻だけ見せて読者仲間を増やす作戦を実行に移すんだ…

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