これ程所有欲を掻き立てられた映像作品には暫くぶりに出会ったですよ。
リバイバル上映されたなら絶対行くと断言しようじゃないの！
劇中の素晴らしい歌の数々を、是非体感したい！

こんな事書いちゃってるけども、僕は1回目見た時は雰囲気しか感じられてなかった。吹替で映像をチラ見する感じで視聴したのが間違いでした。どの声優さんもド嵌まりしていて素晴らしいのですが、はじめは字幕を読みながら真剣に見た方が良い！

作中に登場するフリークスと呼ばれる人達の中に、【髭女】レティという人が居るんだけども、彼女は髭剃れば解決なんでねーの？なんて考えちゃってましてねぇ…今思えばふざけんなって感じですね。
恐らく1回目は彼女達フリークスに対し、僕自身に寄り添う気持ちが足りない…いや、無かった。
しかし、こんなふざけた感想を持った僕でも彼女達のあの歌が胸に残り、それで二度目の視聴をする事になったわけですねぇ…これは役柄ではなく、あの瞬間本物だった彼らの生み出した力なのかも知れない。
そして何度も繰り返し見た事で、レティに寄り添う事が出来たかも知れませぬ。

レティという女性についての僕の考えをちらっと書きます。
ネタバレになるかも知れないけども、僕みたいに剃ればぁ～？なんて思ってしまうくらいなら知っておいた方が良いと思うんですよねぇ…
妄想てんこ盛りなのであてにもならんと思いますが！

レティをきちんと女性として受け止めればとても簡単な事ですね。
彼女、いつから髭が伸び始めたと思う？
そして、彼女がバーナムに見いだされるまでに、一度も剃らなかったと思う？
そんなわけないんですねぇ…だって女の子だよ？
涙目で髭剃ったに決まってるさぁ…でも彼女のお髭は立派。
剃っても顎は青々としていた事でしょうよ。
剃っても伸ばしても事態は変わらず同じなら…諦めちゃうよね。

そう考えると、バーナムに見いだされ観客から喝采を浴びた時の喜びと、彼に拒絶された時の悲しみはどれ程のものだったのか…
それを乗り越え歌い出す彼女の強さが乗せられて、主題歌であるThis Is Meがより一層美しく感じられちゃうわけです。

レティを演じたキアラ・セトルさんのワークショップセッションの様子が次の動画で見られるのですが、本編ではないのに何故か目に涙が浮かんじゃうくらい好きな曲になりましたぜ！皆同じ世界を思い描いていると思える一体感、そして生まれた本作品…素晴らしいですね。

そして、主題歌のみならず全ての歌が素晴らしい。
ジェニーもフィリップもアンもバーナムもチャリティも子供達も、幼少期のバーナムだってみんな最高だ！
グレイテスト・ショーマンってのは主人公のみを表しているのではなくて演者全員の事なんだなきっと。

ミュージカル映画って事で歌と踊りに注目しがちだけども、物語も素晴らしい。
こんな拗れた僕にも愛って…いいなぁと思わせてくれるんだから、これはすんごい美しい物語。
珠玉の人間賛歌とその心の美しさがたかだか数時間にみっちり詰め込まれた、地上最大のショーとはこの作品の事。

因みにこれより前にグッときて購入しちゃったのは海の上のピアニスト。
こちらも登場人物の心情とピアノの音色がミラクルマッチしちゃってる所があるんだけど、僕は物語を音楽に乗せられると弱いのかも(;´∀｀)