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ホラー漫画【屍牙姫】 2巻は血族と使い魔の関係性とその対比が面白い。

投稿日:2018年4月15日 更新日:

比較の為、それぞれの関係を確認します。
まずはお約束
※引用した画像は全て屍牙姫1巻と2巻からのものであり、著作権は著者・佐藤洋寿氏に帰属するものであります。

美輪子と修(1巻時点)

修が使い魔になった経緯は、はっきり言って無理やり。
美輪子が修の両足を切断し、出血多量で死にかけている所を「わたしが助けてあげる。」と言い、屍牙の滴りを注入。
その結果化け物になってしまう。
助けてあげるとかお前が言うなだし、命は助かったかも知れないけど、これを助けるとは言わないんじゃねー?という散々な結果である。
突然化け物にされた事で環境は一変。
これが馴れ初めであり、修の美輪子に対する感情は最悪である。

反対に美輪子は修の事を気に入ってそう。
じっくり丁寧に使い魔として育成中であり、修が死にかけた時は死ぬかも知れない領域外まで出てきて助けちゃう。
混乱して彼女のチカを瀕死の状況に追い込んでしまい、嘆く修の為にチカの命を救うチャンスを与えた。
自身に対する印象が最悪な修を、従順な使い魔にする過程を楽しんでいるように見える。

猪鼻さんとそのご主人様

©2017 佐藤洋寿

©2017 佐藤洋寿

猪鼻さん(美輪子様命名)は使い魔同士の掟っぽい理由から修の抹殺しようとしたが、美輪子の乱入により敗北。

彼女のお気に入りの衣装に穴をあけた事でハイレベルなお仕置きをされ、最後は百舌のはやにえ状態で木に括られ朝日を浴びて死亡。
そのご主人様は自身の下僕が殺された事を知り、なんと単身美輪子邸に攻め込んできた。

  • 猪鼻さんの呼称はブーちゃん。
  • 帽子にブーちゃんの顔面と同じイラストか刺繍が施されている。
  • ブーちゃんを虐めていいのは自分だけ。
  • 修に髪を切断され激昂するが、理由はブーちゃんが最後に梳かして結んでくれたから。
  • 変身後の醜い姿にコンプレックスを持っているが、ブーちゃんは僕の方が醜いよ!と慰める。
  • そして長く人間の姿を保てるようにブーちゃんは血液を摂取せずに献上。
  • 相手の領地という圧倒的に不利な状況にもかからわず単身で攻め込む程怒り心頭の様子。
  • 最後の言葉はブーちゃん。

©2017 佐藤洋寿

この女性は美輪子と比べて若い世代に見える。
変身後の姿を見て美輪子が何次感染者なのかと発言するが、株分けを繰り返す程に変身後の姿が歪になるのだろうか?
ハメを外した姿がこちら。
女性の姿の変わり様も凄いですが、この絵も凄いですね。
非現実的なキャラを描きながらもリアル。
上半身の肥大化に対する下半身のバランスを考えると、制御し切れて無さそうな感じを出しつつ足の動きはやっぱり女性的であったりとかするあたりがもうね、すげぇと思うのです。
いろんな意味で絵が巧い。
もしかして本物を知ってるのでしょうか…。二人の関係は理由は幼いながらも相思相愛。
ご主人様と下僕というよりも、恋人同士を思わせる関係ではなかろうか?
単なる下僕なら命張ってなんだかヤバそうな美輪子を襲撃したりしないと思うし。
ブーちゃんが時々屋敷の様子を伺っていたと美輪子自身が言ってましたので、やらせていたのは彼女でしょう。
マスクに残った美輪子の匂いを嗅いで屋敷を襲撃しているので、匂いを知るくらいは接点があったのかも。
接点有り、そして下僕に動向を探らせている事から、かなり警戒すべき相手と知っているはず。
それなのに危険を顧みず襲撃…これは恋人の仇討ちって事ではないでしょうか。

ムサシと千晶様

浪人風の姿をした使い魔ムサシとそのご主人様である千晶様は、血族と使い魔の理想的な姿に思える人達でした。

©2017 佐藤洋寿

ムサシは人の心臓を狩る事に罪悪感を抱えつつも、主の為に狩っているようだ。

©2017 佐藤洋寿

そんなムサシを労う千晶様。
だけど千晶様は断食中で、ムサシが提供する血液を摂取しようとしない。
このままでは飢え死にしてしまうと心配するムサシの様子は従者の鑑。
その直後、人間の心臓が狩れないので血族の心臓を狩る事にした修の襲撃を受けたのでした。
駆け出しである修は全然弱く猟爪も出せぬ有様。
圧倒的に有利な状況でしたが、修の驚異的な再生能力と猟爪が発動した事でムサシは致命傷を受けてしまう。
ムサシの敗北に驚いた様子だったので、その強さも含め信頼していたのではなかろうか?
修によるトドメの一撃を千晶様が体を張って庇い、せめて最後は人の姿で逝けるようにと自身の血液を与え、見送る。

千晶様は丁度死にたがっていた様子では有りますが、
従者亡き後足掻くこともせず修に心臓を差し出すのは、ムサシに命を預けていたのだと思わせるには十分な姿。
ムサシの安らかな死に顔をみて、自身も安らぎを覚えるところも美しいですね。

彼らの容姿から察するに、数百年は前から生き続けている。
これはブーちゃんペアと比較すると割とご高齢のペアでありますが、静かで在りながら互いを強く想い合う絆のようなものを感じました。
修は目標通りに血族の心臓を手に入れたわけですが、なんとも言えない後味の悪さを感じる。
生存競争では勝利したものの、人として負けちゃってる感じがヒシヒシと。
ムサシも千晶様も、人として円熟した心の有り様が美しい。
長年連れ添った夫婦を思わせる主従でした。
一連の話を見た後、言葉では言い表せない、何か綺麗なものを見たような気分になります。
表現するには語彙力が足らない。

二組と修達

これまで対峙したペアはどちらも言動や表現は異なっていても、想い合っているのが判る。
ところが、修は美輪子に対し忌々しいとさえ思ってそう。
なんかもう全然違います。
そんな修を、美輪子様がどのように墜としていくのか?その過程を追うのも楽しみですね。

©2017 佐藤洋寿

そういえば、血族って何か使命とかそういった感じの目的が無さそうですね。
美輪子様に何か深い考えが有っての修の使い魔化…とかも無さそう。
あるとすれば死を望んでいるのでしょうか?
断食するのは嫌だけど、サクッと死ねるなら死んでもいいとか?
飢えで死ぬ…確かにあれは痛そう。

飢えが体を喰らいだすという謎仕様
体の内側から喰われるなら感染した何かの仕業とも思えますが、なんか外側から喰われちゃってますね。
この辺も後々血族がどういったものなのか明かされてくるはず。
次巻を楽しみに待つ事が出来るのは嬉しい。

ちょっと赤色多めの作品だしビジュアル的にもズバズバっとしたり断面見えたりしますので、人を選ぶ作品かも知れません。
でも、絵とセリフで書かれている部分以外の話を読む、空白を読むみたいな見方をするととても面白い漫画だと思います。
見るではなくて読む!わかるかなぁ…僕も良くわからんのですが。

現状では突っ込み所なのか、仕込みなのか判断が難しいところ

これはチカの回復と、ムサシの心臓持ち去り場面。

チカの回復が規格外過ぎたので、退院が伸びたと本人が言っていた。
これは…恐らく細胞の採取をされて美輪子産の滴り成分とかも研究されてたりするのか?
その後あっさりチカが日常生活に戻っていたのでかなり違和感があった。
その後また腕が落ちて容態悪化、後にまた元気…これはもう表面上は存在を抹消して地下の施設で実験しまくるしかない症例ではないか?
でも、また日常生活に戻るんですよね。不思議。

それと、ムサシは心臓取った後で遺体はその場に放置して現場を去っている。
今までずっとこんな感じだとしたら、世間は大騒ぎしてなきゃおかしい。

修が見ていたyahuu!newsに国分寺で猟奇殺人やら心臓を抉られた…とか出てるので、だいたいどのペアも狩った後の処置が雑なものだと思える。
あまり大騒ぎになってない様子からして、この辺は失踪者に対する世間の関心の無さを表してるのかなぁ…。
チカの世間話でも昔から失踪とか多い~程度に留まっている。
もしかすると、警察上層部や医療施設にも血族がいて握り潰しているのか、
もしくはある程度血族の動向を掴んでいて泳がせているのか?

今後人間による血族撃退チームが結成されて様子が変わってくるのだろうか?

このまま何事もなく血族バトルが延々と続く…だとこの辺はかなり問題のある部分だと思う。
今後の展開待ちですね。

チカが車に轢かれたのは美輪子様の仕業かも。

二巻終了まで読んで、修の外出時には常に美輪子様が監視している気がしてならない。
ピンチの時に颯爽と登場したりとタイミング良すぎだし、千晶様はムサシと修の交戦時に何がに気がつき、修に対して美輪子の命令かと質問していた。
これ、近くで様子を伺う美輪子の気配に気が付いたからでないの?

これ程修にご執心な理由はわからんが、そうだとすればこれまでも監視していたに違いない。

そして、チカを轢いたおじさんも、信号は確かに青だったのにと声を漏らしていた。

猪鼻さんをダイエット成功に導いた謎パワーを考えると、信号を勘違いさせるなんて余裕で出来そうに思える。

これを前提に修を堕とす過程を観察すると…また見える景色が変わってきますね。
この話の変わりよう、万華鏡みたいで面白い。

最初は物腰のゆるふわな女性がエグいことをするという部分がポイントのドSを堪能する漫画なのかと思いつつ。
その後、実は裏に秘められた主人と下僕の絆みたいなものを描いた漫画なのかと思いつつ。

そして今。
実はすげぇヤバい女性が聖女のような上部を取り繕いつつ、身の毛もよだつほどの邪悪な手段でじわりじわりと修を下僕として完成させようとし、さらには全てを奪おうとしている。
つまるところ、修が化け物に身も心も補食される過程を見せられている漫画なのではないか、そう思いつつある。

気付いた所で、怖いもの見たさゆえにもう目が離せない。

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