居眠り磐音 江戸双紙
既に完結したこの作品、電車の中吊り広告で目にした人も多いかと思います。
僕もそれを見てはいたのですが、なんの興味も示していませんでした。
母が1巻から3巻へと読み進めたその後日、4巻が書店に無い!と騒ぎ始めたのがきっかけだったかなぁ。
結局、4巻を買いに行かされたのですがそんなに面白いのかと。
通販での到着日数が我慢ならない程とはなんぼのもんじゃ?
そんなわけで読んでみたら、次巻を探し求める者がまた一人。
先に読んでいる母に、まだかまだかと催促する程に夢中になってしまった。
魅力的な登場人物たち
- 竹村武左衛門
僕は戦いの場面よりもなによりも、日々の暮らしの部分が好きだった。
多くの人を助け、時には助けられ、金に困って仕事をしたり。
そんな中で出会った者の中に、竹村武左衛門が居る。
だめな人代表といった感じで、磐音とは著しく落差がある。
しかし、僕はこの男がお気に入りだ。
時に、気を遣わずに放つ武左衛門の言葉が道を開く!事も…あるはずないか。
という程にダメな方向に絶大な信頼を持っている。
しかし、居眠り磐音を盛り立てるのにこの男は欠かせないと思う。
元武士であるとは言うものの…中には訝しいと言う人さえいる。
しかし僕は信じるぞ!、武左衛門は元武士だ。根拠がちょっと寂しいけども!
皆もダメな侍、武左衛門に会いに行こう!
- おこん
両替商の今津屋で女中をしていた、今小町と呼ばれる美人であらせられる。
美人なのにてやんでぇ!な口調で啖呵切ったりする様子におぉぅ…!としびれたものである。
そこへきてか弱き一面を見せてきたりもするので、ドキッとしちゃいます。
長屋暮らしから磐音の支えとなってくれるし、父の金兵衛との掛け合いもまた微笑ましいのも見どころ!
- 松平辰平、重富利次郎
この二名の登場にはちょいと読み進めねばなりませんが、彼らの切磋琢磨する様をみて磐音はどこか懐かしさを感じていたのでなかろうか?
登場時はまだまだの腕前、痩せ軍鶏とでぶ軍鶏と呼ばれる始末。
そんな彼らも時と共に成長していく、それがまた一つの楽しみでもありました。
- 霧子
出会いは意外なものでありましたが、彼女もまた僕の記憶に刻まれた存在。
合縁奇縁とはまさに。
彼女の気持ちや心情の移り変わりも、追ってみる価値があるところだと思います。
どこから登場するかはお楽しみ!
- お代の方
個人的に作中、割と上位のサプライズを与えてくれた人ですね~
見どころだと思うので詳しくは書きませぬが、磐音に鰻のかば焼きを馳走になった時のあの微笑ましい情景ったらないぜ!
読み終えてみた感想
戦いの結末としてはあれれ?という気もしたけど、僕はあの終わりで良かったと思う。
史実に関わるこの物語、成敗!ぐわー!ではファンタジーになってしまう。
あの終わりだからこそ、磐音達が存在していた、そんな思いを残したまま居られる。
金兵衛もおこんも、あの時を生きたのだと言っても誰も否定は出来ますまい!
長屋暮らしで鰻裂きして生活していた頃がお気に入りであった。
序盤の方なんだけど、その日暮らしなバイト生活でござる。
コツコツと暮らしている感じに親しみを覚えてしまう。
家賃も払わなきゃいけないしお米も無いし!どうしよー!
と、ここで我らが武左衛門の登場だ!『儲け話もってきたどー!』
そして騒動に巻き込まれる武左衛門。
貴様…磐音に何か恨みでもあるのか?と思ったものです。
あっ、すごい事に気が付いた。
51巻もあると序盤の記憶が懐かしい気分です。
想えば、途中ダラダラしていた所が無かった気がするし、読み始めればあっという間の51巻である。
これほどの巻数があると、長らく楽しめると思うでしょう?
ゆっくり読めるものならねぇー!
僕は『早く…早く、次はどうなる!?なんですとー!?』という感じで疾走してしまったので今度はじっくり読みたいと思ってます。
居眠り磐音江戸双紙、ミステリー好きもSF好きも4巻くらいまで読んでみるべき作品だと思う。
ちなみに僕は読み始めの時には、主にアクセルワールド等のライトノベル読んでました。てへ。
空也十番勝負…だと!?
うひょぉー!?
あの磐音の倅の物語が既に3巻でておりますと!?
また彼らにに会えるとはっ
倅という事はきっと話も似たり寄ったり…なんてことはない。
もう完全に空也という個が形成されております。
幼少期から両親と共に戦いの渦中にいた空也のメンタルは半端ではない!
あの幼子が武者修行の旅に出るまでに成長するとは…感慨深いものがありますね~
こちらから読み進めても問題なく追える作品ではありますが、おぎゃーと生まれた頃から知っているとこの物語は一味違ったものになります。
是非、居眠り磐音から読んでほしいですね!長いけども!
酔いどれ小籐次
佐伯先生の作品で見逃せないもう一つの作品がこちら。
簡単に説明するとお酒が大好きな爺が無双する話であります。
元は馬のお世話係なこのおじいさんが自分の主君が勤め先で虐められてメソメソしちゃったのを見てやったろうやんけ!と関係者が拝領した槍の穂先を奪って回ったのが第一巻。
一の子分でも二の子分でもなく、大分下の方の馬のお世話係がしでかしたって所が人々の琴線に触れたのか、国中に名前が広まるほどの人気者になってしまう。
そしてこの小籐次さん、すんごく年下のお嫁さん貰ったりしちゃいます。
何か弱みでも握ったのかと思うかもですが、なんと愛されちゃってます。
作中で何度もなんで?という突っ込みが入るほどに不釣り合い。僕もそう思う。
しかし本人が誰よりもその幸運を信じられない思いで受け止めていたりするので好感が持てちゃいますね。いや、ゆるせん。
あとはお金に卑しくない所がなんとも粋な男だと思います。
生計は日々の研ぎ仕事で賄うという清貧さ。
人気者なので紙の問屋さんからの援助やらで困ることはなさそうなのに、刃物を研ぎ続ける姿がなんともカッコいい。
出版されている巻数はまだ居眠り磐音ほどではありませぬが、まだまだ続きが楽しめそうな作品です。
それでは、おこんさんのようなお嫁さんの尻に敷かれたい、いや…おりょうさんのようなお嫁さんにも愛されたいペケジローでした!