特別読み切りゆえにコミックとして発売されるかわからんし、
マガジンウォーカーの方は2ヶ月経ったら消えちゃうし…
このお話をライブラリに残したい衝動に駆られてついついKindleで漫画アクション 2018年12/18号を買ってしまったですよ。
2018年度二作目の僕のお宝として胸に刻みたい、そんなお話にござった…
いやはや、先月から続けざまにお宝作品と出会えちゃうなんて…至福。
語彙が足らずに支離滅裂にだったりネタバレになっちゃうかも知れないので出来る事なればササっと作品を読んで頂きたいと思います。
マガジンウォーカーは初月無料とかやってたはずなので一苦労する価値はあるはず。
色んな雑誌も読めるのだし。
アイボン…お勧め。
それではお話の流れを頑張って紹介してみよう…
親より先に死んだら天国には行けませんて事で、生まれる事が叶わなかったハー0213(以下ハーちゃん)は石を積み上げ18年、お盆の時期にゃ一時帰省出来る亡者が閻魔様から発表されるが自分はこれまで呼ばれた試しがない。
だから僕には関係ないねと思っていたら、ついにまさかのこの日がやって来た。
母が精霊馬の手配をした事で3日の間現世に里帰り出来るという。
お目目キラッキラやないか…良かったね。
閻魔の帰省拒否も出来るし3日間で地球の名所を回れるという提案を、生まれる事が出来ずに悲しませた母親を喜ばせてやりてぇと断るハーちゃん…良い子に育ったじゃねぇかい…
彼の意思は固く、閻魔様もそれ以上引き留めるのを止め、姿をかわゆい赤子に変え…事情によっては早退も許可していると伝え、そしてちょっと悲しそうに去っていく。
つぶらな瞳に大変身。
閻魔大王の言動の意味は読み進める事で理解出来るのだけども、めっちゃいい人なのではあるまいか?
手配された暴れおナスに乗って着いた先で再会した母はハーちゃんを貧乏神と勘違い…うわ酷い。
と思ったらおっかさんの持ってる本の貧乏神がハーちゃんそっくりなのでそう思うのも無理もなかった。
これは閻魔様の仕業か運命の悪戯か。
1日目、ハーちゃんが自分以外に見えないのを良いことに頬を吊らせてアンチエイジングするおっかさん。
2日目、公園で母の腰を押し幸せそうに微笑む子を真似て、ブランコに座るおっかさんの腰を押すハーちゃん。
ハーちゃんが幸せそうな二日間。
そして良いコマなんだけども、18の子が幼児の行動を羨んで真似っ子する心情を思うと泣けてくらぁ…そう考えると赤子の姿に変えたのは母に甘えられるようにと考えた閻魔大王の粋な計らいだったのかも知れない。
公園ではおっかさんを見てヒソヒソする者達がおり、どうやら母は18年ぶりに地元に帰って来ていてその昔何かやらかして地元を出たらしい事がわかる。
そして夜。
屋根の上でおナスに明日は少しの間お留守番で有ることを伝えるハーちゃん。
明日はお母さんの大切な日なんだって。
そして3日目夕刻
何かを決意した眼差しのおっかさんと共にきたるは鴨目山高等学校で開かれた裏山光司君 出馬応援会。
若作りもバッチり決まっていざ出陣!
会の主役の裏山はなんとハーちゃんにそっくりで…ええいめんどくせぇ!
18年前におっかさんを妊娠させ逃亡し、ハーちゃんがよちよち歩きの頃から地獄生活する事になったのはこいつのせい。
いやはや上っ面はお上品なのにやることがゲスいこいつが政治家とは恐れ入っちゃうじゃねぇかい…あんま違和感ないってのも悲しい世の中だわいなぁ
挙げ句の果てに我が子を前に本当に僕の子だったのかななんてほざきやがる始末…裏山はん…あんたほんまもんのクズですわ!
なのに世間的には善玉っぽく扱われているのが歯がゆい。
生きてりゃこんな状況にぶち当たる事もあるわけでして…とってもムカムカしちゃうのよね。
おっかさんが光司の子供を堕ろしたと言った時にハーちゃんがショックで落っこち、そしておっかさんのほっぺたも落っこちる…思わずニヤけてしもうたけども、緊張感漂う中でのこの流れには慰められますな。
ハーちゃん的には僕のおとうさんはクズでしたって感じか…いや、おとうさんなんて要らんかったんや!
警察で絞られた様子のおっかさんに、ご苦労様と大金を渡すおっさん…
おっかさんは対立候補に話を聞いて応援会を知り、渡りに船と騒動を起こしたようにも見える。
そして手に入れた大金に気を良くして酒を飲み酔っぱらう…恐らくそんなストーリーを想像し、母は自分を消したかったのかと思い悩むハーちゃんの姿が痛々しい。
が、おっかさんは「ねぇ神様、あたし…いらなくね?」と涙を流しつつ橋から川へ身を投げてしまった。
つぶらな瞳を見開き必死で母の手を掴み、橋から落ちても川へ落ちても手を離さないハーちゃん。
そうだなぁ…大事なおっかさんだもんなぁ…なんて考えるとまた涙腺崩壊ですよ。
二人ともお留守番していたはずのおナスに助けられるんだけども、手にしたお金が流されて、おっかさんから流石は貧乏神といわれちゃうのがちと悲しい。
でも、お金が欲しかったわけでは無くて、光司も自分に会いたいのではないかと期待しての参加だったそう。
妊娠した自分を捨てて、さらには保身の為に自分の悪評をばら撒いたかも知れない野郎を18年間想っていたわけで、本当に光司を愛しておったんでしょうなぁ…
打ちひしがれる母を見て、ハーちゃんはそれなら一緒に地獄へ来てよと手から謎オーラを出して歩み寄る。
多分それは可能なんでしょう。
しかし、それより先におっかさんからずっとここに居なよと言われるんですねぇ…
貧乏神はどこに行っても邪魔にされるだろうから、ここに居ればいいって。
そう言うおっかさんを抱きしめ,ハーちゃんが思い描いた二人のもしもの1ページ。
事情が許さなかったとは言え、本来であれば得られたはずの幸せを想像しただけ。
それなのに満足そうに微笑むハーちゃんが健気でまたしても涙腺崩壊ですわ。
あ、アイボン持ってこーい!
そしてハーちゃんは心が満ち足りたのか消えてしまう…
虚空に赤子を抱くような姿勢を取るおっかさん。
赤子の抱き方を知っている…18年前、妊娠したとわかった時に生まれてくる赤子の抱き方を調べたのであろうか?
お母さんはハーちゃんの誕生を望んでいたのではなかろうか?
ずっとハーちゃんの事を貧乏神だと思っていたけども、この時産んでやれなかった我が子であると悟ったのではなかろうか?
スクーター運転中にこの事に思い至り突如涙腺崩壊しましてねぇ…視界不良によって危うく地獄に行きそうになりましたぜ…
涙を流しながらアドレスに乗っている人に覚えがあったらそれは僕なんだけども、見なかった事にしてください。
そして、母は立ち上がり、上を向いて歩き出す。
ここで終わりなのでハーちゃんのその後もおっかさんのこれからも想像するしかないけども、とても切なく悲しい気分になるんだけども、何故か希望を感じずにはいられない。
きっとこの二人は大丈夫。
この、「おナスにのって」は読み終えた時に何かとても綺麗なものをみたような、そんな気持ちになれる作品でした。
僕はおっさんなのでこの作品では子の立場なんだけども、
ハーちゃんが思い描いた彼にとっては得難くも素敵な日々が、我々にもこんな瞬間が有った事を思い出させてくれる。
今までとるに足らないと思っていた事柄、それがハーちゃんにとってはなんと有り難い事だったのだろう。
この作品を読み、じ~んと来たのならば…
今日は親御さんに意味も無くお土産を持ち帰り、こっそりと心の中ででも感謝すれば良かろうと思います。
僕はあれだ、運転中に涙ジョバジョバになっちゃったから無理だった(*´з`)
うわきったね!とか思われたらもっと泣いちゃいそうだしお店にゃ寄れないよ…というわけでまた明日。
この作品を読み終えたらば冒頭の【親より先に死んだ子は天国へはいけません】という賽の河原の有様が理不尽なものに思えてならない。
やはり人生には不可抗力って事もあるのだし、本当にそうなった時には親も子も悲しすぎるよねぇ
おナスの閻魔様は優しい人物のようだから良いけども、なんとかならんものかしら。
[…] 岩田ユキ作、おナスにのって なんじゃこりゃ…素敵じゃないの!特別読み切りゆえにコミックとして発売されるかわからんし、マガジンウォーカーの方は2ヶ月経ったら消えちゃうし… […]