良き作品に出会えた悦びをムラムラとした感情の昂りに任せて書くでござる。
と、いうわけで今回感想を交えてご紹介致しますのはヤングキングアワーズにて連載中の著者・大石まさる マーチャンダイス 第5話 ケロケロ繁殖記というおとぎ話。
火星のとある区画に一匹のみいるカエルちゃんが今回のヒロイン。
住処の近くの住人に良いようにおちょくられている様子が何とも可愛らしい。
怒って膨らむ姿もツボであります。
人物に対してだいぶてきとーな感じのデザイン…ラインスタンプに欲しいくらいです。
季節は春、そして繁殖期。
しかし一人きりなので未来を憂うカエルちゃん。
彼女が仕方なしにお月様に祈りを捧げましたらば。
月は奇跡を起こすもの。
月の光に導かれて素敵な人間の女性になりました。
当然元々素っ裸なので全裸にて登場。
とても綺麗な裸体に僕、うっとり。
カエルの状態の時の足場である葉っぱが水中で踏まれていたりして、細やかな所がしっかりと。
わりと目に留まらないかも知れないけど、それは場面が脳に染みこむかのように入ってるからかも。
表現力ってこういうことを言うのかしら。
全体像は個人的に額に入れて飾りたいくらい素敵だと思いますので、是非本編で見ましょう。
それにしたってお月様も粋なはからいをするじゃありませんかい!
人間になったカエルちゃんは旦那を求めて駆け出すものの、やはり知識とかその辺がカエルなのであぶなっかしい。
てなわけで近場のスナックのホステスさんが保護して店に連れてってくれました。
ここまで悪役と思しき人物は猫じゃらしでカエルちゃんを弄んだあの女性くらいのもの。
それにしたって無邪気なもんです。
来店したジャン大人、一目見るなり源氏名ケロ子ちゃんの純真無垢、天真爛漫心の魅力を感じ取った様子。
他の二名も同様でしょうか。
三人が夢中になるのも無理はない逸材である事はスナックのママが教えてくれます。
上記の特性に加え、繁殖相手を見定めようとする目ヂカラが半端ないというママの発言…長年の経験からくる謎の説得力。
ケロ子を巡って野郎共三人がバトルを展開しますが、ケロ子さんの罪深き一言により事態は一転。
お目当てのケロ子さんがどんど来い状態である事が判明したのだから野郎共の緊張感は一気に高まった事でしょう…。
スナックでで出会った風間氏、ウィリアム卿、ジャン大人の三名がケロ子さんのハートを射止めるべくアピール合戦を繰り広げる事になりました。
皆さん相手のアピール中に下げ発言をしたり必死。
風間氏のターン!
ウィリアム卿のターン!
ジャン大人のターン!
あっ…
アピール合戦の果てにケロ子さんが選ぶのは誰なのか…!
どうやら誰を選んでよいのかお悩みの様子…
と、いうわけで
さらに一段高まる緊張感。
しかし…ケロ子さんなら仕方ない。
愛の巣へ向かう途中で冒頭にておちょくってきた女性を発見し、問答無用で軽くボコるケロ子さんが素敵でした。
自由奔放。
繁殖の前に、願いを叶えてくれたお月様にお礼を言うケロ子さん。
本当に、全部丸ごと可愛らしい。
近年稀にみるヒロイン力…しかしこの後4人で…?
お月様へのお礼が済んで、いざ!
ん?卵?
あっ…
ハハ…
という感情三段活用。
僕、こういうの大好き。
水面近くのケロ子さんの表情がとても嬉しそうでなんか幸せな気持ちになりました。
てっきり人間のままで突き進むと思ってたので恐らくこの時の驚きは野郎共と完全に一致していた事でしょう…。
そして次の瞬間がちょいとあれ。
うわっ…
って思いましたよねぇ…
これまでの男性陣の頑張りを思い起こすと、このむニョロむニョロという柔らかなイメージの擬音がとても鋭利な刃物にも似た殺傷力を秘めているような…。
柔らかいけど、良く切れるという相反するイメージ。
人間のつもりで求愛してた男性陣は…撤退しちゃうんじゃなかろうか?
うーん、物凄い勢いで頭ぐるぐるしました。
じんわりとニヤニヤしちゃう展開…堪りません。
ジャン大人にシンクロしつつ、三人仲良くケロ子さんの願いを叶える姿にちょっと感動を覚えてしまいました。
なんというか絵面は酷いかも知れませんが…カッコいいじゃねぇか!
4話と5話しか見てませんが、彼らも前のお話に登場したりしてるんでしょうか?
好きな奴らになりましたので、1話から見てみたいと思います。
やけっぱちな絶叫の下で、ケロ子さんが幸せそうな顔してるのが良いですね。
お月様、フォボスとダイモスが重なり合う時に奇跡が起きたので今後も人間になったりするのだろうか?
風間氏をはじめ、男性陣はやはり生まれたおたまじゃくしの様子を見に来たりするのだろうか?
めでたしのその後も気になるくらい惹きつけられた作品でございます。
僕が知ったおとぎ話の中で一番幸福感溢れてて好き。
まぁちょいと酷いというか笑える場面もありましたが可愛いもんです。
1話分なのに、いろんな思いで頭がいっぱいになって楽しかったなぁ…
実に平和な気持ちで読めました。