さて、このページでは6層で登場した干渉器達の言動に微かな違和感を感じていたペケジローがジロジロりと干渉器達に注意を払いつつ再読した結果、
違和感の正体が遭遇時の印象と揺籃についての説明にあると気が付きまして
干渉器達は決死隊が初めて知る人間というわけではなく
それどころか人が揺籃を使いその願いが散る所も見知っており
決死隊と揺籃にまつわる一連の悲劇に深くかかわっているような気がするよぉ~という内容がグデグデっと記してあります。
決死隊と遭遇した時、彼らは気負う事もなく落ち着いた様子でいたように見えます。
その際何か質問をしていたようですが、発していたのは言葉というよりは音に近いもの。
イウウウウ?て言われてもわからんし、反応に困っちゃいますよね。
もしこれが頭寒そうね?という意味だったら僕は戦わねばなりません…絶対負けるけど。
この場面の雰囲気的に、干渉器達にとって決死隊が記念すべき人類との初遭遇って思っちゃいますよね。
その後、決死隊の生存に知恵を貸しつつ友好的な関係を築いていたように見えますが…
ようやく6層での生き方を身に着け始めた決死隊に対し、次々と襲い来る悲運。
欲望の揺籃もその一つでしたね。
ピタゴラスイッチの如くテンポ良く次々と不幸が発生してしんどかったなぁ…
これに干渉器が一枚噛んでいたかも知れないと。
干渉器は欲望の揺籃の情報を与えてくれましたが、その内容を考えると知り方がおかしいのではありませぬか??
ワズキャンが取りだした遺物を一目見るなり反応し、
ジャビスが死亡した原因をその遺物の仕業と断定。
丸い遺物は願いの形 ささやかなものから強いものまで それ とても強いもの
それは欲望の揺籃、君たち風に言うと「願いを叶える卵」だ
直に触れない方がいい 取り込まれて願いが散るとああなる
ヒトの成体は雑多で複雑 適していない。
使わせるなら 幼体がいい
後にイルミューイの惨状に思いつめたヴエコさんが、揺籃の使用を提案した際には次のように発言しています。
可能性は…とても高い
幼体の感じる恐怖 とても原初に近い
うまくいく可能性高い
願いを叶える卵なのに恐怖って言葉が出てきた時点で怪しさてんこ盛りなんですが。
欲望の揺籃に詳しすぎな干渉器達の言動からその思惑を妄想してみましょうぞ。
まず、ジャビス達の死因を即座に遺物のしわざと断定したということは…さては干渉器、人間と遭遇するのは決死隊が初めてではないな?
しかも、人が揺籃を使用して願いが散った姿を知っているという事にもなりますな?
カブールンが最初から人語を話してましたので、カブさんから情報の共有という形でいろいろと知っていたとも考えられなくもありませんかね。
だとすると遭遇時に言葉を知らない感じだったのもそう振舞ったって事かなぁ…なんだかややこしいですね。
でも、成体よりも幼体が適していると言い切ったのだから、少なくともそれだけの根拠があるという事にはなりそう。
揺籃使用の結果を見たのは一度や二度では無さそうですね。
干渉器達はヴエコさんがイルミューイへの揺籃使用を提案した時に、二度も可能性が高いと言っている。
使用を煽っているように見えることから、干渉器達は幼体に揺籃を使わせた結果が知りたかったとも考えられますね。
そもそも干渉器とは 見て 触れて 探し 集める 知りたがりの集団であります。
なので、人の情よりも何よりも情報最優先で行動しちゃう傾向がありそう。
イルミューイの肉体が遺物によって歪に変化し、それを受けてヴエコさんのメンタルがズタボロになったらお気の毒だなーなんて考えない。
知る事最優先で活動しており、ヒトを知りはしても理解はしないスタンスなのでしょうか。
おやおやおや…なんだか懐かしい感じです。
そうなってくると、水場として教えた水もどきもなんだか怪しいような気がしてきますなぁ…
欲望の揺籃知ってるなら水もどきも知ってそうなもんですし。
そして一連の悲劇は水もどきと欲望の揺籃のコラボが無ければ成立しなかったわけなので、疑いたくなっちゃいますね。
水場に関しては、あえて飲用に適さない個所に良さげに見える水もどきの情報を混ぜて教えたのではないかなー?
飲用しても遅効性ゆえ、すぐに怪しまれる事も有りますまい。
そして気付いた時点で最悪かつ絶望的な雰囲気に包まれる決死隊。
最初は人間が水もどきに侵された時、どう対処するのかを観察できるよ!という作戦だったのかも…?
その最中、欲望の揺籃が持ち込まれ、重要度のお高い案件が発生しちゃったのでは。
ちと考えすぎな感ありますが、過去のお話ほじくり返すのも楽しいから良いですね。
既に揺籃を使用した人の末路もその原因も知り得ていた干渉器でも成功例の情報は得ておらず、お誂え向きな幼体が居る状況で良い事を閃いちゃったのかも。
そんなわけでヴエコさんを煽ってイルミューイへ揺籃を使用するように誘導したのではなかろうか。
その結果とんでもない光景を見せつけられる事になった。
子の誕生という感動的な場面でありながら、生まれたのはミッ〇ィーっぽいけどヒトでは無いし…それなのにイルミューイが感動してるしですごぉ~くキツい。
この場面を見て僕は確信しましたよね…このままこの作品を読み続けたら遠からず頭皮が大変な事になると。
とはいえ、知りたがりの干渉器にしてみればこの上ない情報だったに違いありません。
さらにさらに、ワズキャンが追い揺籃を提案した際、干渉器達もノリノリで探しに行ってきたらしい。
1つ目のおかわりと、ワズキャンに使用されていた分。
勢い余って2個も拾ってきてやがりました。
揺籃を二重に使用するのは前例が無いって事で張り切っちゃったのかもですね。
こうして合わせて3つの揺籃が使用され、その結果イルミューイは末の娘ファプタを産みだしました。
いきなりブチ切れてますけども。
これまでの子とは違い、人の形と強い力を与えられ生まれたファプタの姿は干渉器にとって非常に興味深い情報だったのでは。
大はしゃぎでファプタに突撃してるんだもの。
瞬殺。
撃破時のファプタの目線とその後の入り口の様子から、村人を攻撃する為のつぶてとして利用されただけと思われます。
ヒャッホーゥ!から活動停止になった原因が、村人を攻撃するのに手頃だったからだとするとなんともあわれな結末。
ちょいと可哀そうに思えちゃいますが、ここでウキウキダッシュしたのが問題です。
決死隊との遭遇時は大人しくお出迎えしてたのに、ファプタが誕生した時にはもう辛抱堪らんて感じに駆けよっている。
まるで最新話が公開された時の僕と同じテンションだ!
事前に何かが起こる事を期待してたからこその反応とも考えられそう。
初読はただの気の良いやつらと思ってたので揺籃の説明をなるほどな!と素直に感心しちゃってましたが、
こうしてみると決死隊の本当の運命分岐点は干渉器との出会いだったのかも知れませんね。
考察とても面白かったです。
いるぶる誕生は干渉器たちの知りたいという行動理念とワズキャンの未来が見える力の合わせ技でしょうね。
干渉器たちはその層ごとにどのくらいいるのかわかりませんがこの三馬鹿()ちゃん達が一度に決死隊に会ったのはなにかしら必然性を感じます。
普段あてもなく情報を探し歩き回っているという感じではなくセンサー的なものがあって一度に多量の情報収集が得られそうな探窟家などの人の生命反応で引き寄せられ動き出したりしてそうだなと思います。
本当に見て知りたいのならもっと上の層に人間見に行ったって良いはずなのに上の層は干渉器が存在してなさそうですよね。
人間の生活には興味ないけど遺物の使用被験体には利用する価値があるって事なのでしょうか。
アビスに生息する生物、水もどきも知らなかったみたいですし遺物を使用する可能性の高い人間のみに興味が絞られてるように思えます。