愛しのアニマリア…なるほど主人公はマリアちゃんって言うんだなきっと。そう思って読み進めたら速攻否定されたでござる。
予想を裏切られたばかりか、オラミというズバリとオラついた名前で完全に意表を突かれたり
何処にでもいるごく普通の女の子と自称されちゃっても読んでるこっちにしてみればまず何処にでも居ないし話すオランウータンは普通ではないよ!?
と思わされたりで僕は試されているのだろうかなんて思っちゃいました。
ははぁ…わかったぞこの作品はツッコんではいかんやつですね良いでしょうまずは大人しく世界観を受け入れようではありませんか。
一言で表現するならばオランウータンの女の子が隣人のナイスミドルな人間に恋心を抱きその過程が面白可笑しく描かれた作品ですかなー
可愛らしい絵柄とは裏腹に中身はなかなか灰汁のお強い作品となっておりまして…好き。
堪能するにはまず世界観を素直に受け入れねばならん…
しかしその決意をあざ笑うかのように容易く僕のキャパを越えて来やがる所が面白いやら悔しいやらで読んでて楽しい漫画ですわね。
そんな面白物語でありながらやや謎めいたところもあるんですよね~
獣人が当たり前に生活する世界でオラミが恋するオジサマは人間で、そして今の所人間はこの人しか出てきていません。
オラミちゃんも自己紹介の時オランウータンと種族名を名乗っておりますので他の動物も彼女と同様に獣人として存在する世界なのかも。
彼女の周囲でただ一人存在する人間…いったいこの世界の人間はどうなってしまったんでしょうかね?
状況的にはかなり珍しい生き物な気もしますが、獣人の皆さんはオジサマと普通に接しているようだし…わからんですね!
読み進めていくうちにおいおい解るようになるのかな?
いやそれにしても人間とオランウータンのみならず種族間の恋愛って結構ハードル高いんじゃ…
なんて考えてたら結構本気でオラミに恋しちゃったっぽいケヴィンはハダカデバネズミ。
雰囲気的に心配無用な感じでしょうかね~?
種族とか小せぇこと気にしてんじゃねーわよって事なのだろうか?
うーむ、でも出てくる人物は皆さん割と純潔種っぽいのよね…猫と犬が結ばれて生まれてくる子はどちらかの種族になるって事じゃろか。
その辺はおいおい知る事が出来るかも知れないけれども、オラミの恋路に最大の関心が集まっておりますので気にするこっちゃない気もします。
獣人が多数を占める世界で、皆人間という存在を知っておりなおかつ尊重している世の中か~
この辺もなかなか気になるので作中で弄って頂けると面白そうなんだけど~
それでいてオラミに纏わる出来事を追うのに忙しいという贅沢なお話になっとりますね。
そう、これはオラミの恋の物語なの!
しかし開始早々に恋物語的にハラハラしちゃう描写がぶち込まれてたりしますのよね!
寝起きに水を飲むのは解りますけども…それを「一杯ぶち込む」という表現と振舞いが恋愛とは対極に位置するワイルドさ。
ただ小指立っちゃってる所はなんか親近感沸きますね僕も何故か立っちゃうし。
この恋…大丈夫なのだろうかめっちゃ野生感じるんですけど。
こんな風になんかダメそうな気配を感じさせつつも冒頭8pでキッチリオラミのガチ恋である事が伝わり良きかな。
6時きっかりに窓辺で喫煙するお隣さんと同じ時を過ごすその為だけに自然に起床しちゃったり
タバコの匂い嫌いだったけどお隣さんが吸ってるので好きになるという乙女チックさよ…
そして憩いの一時が終わった後のこの佇まい。
オランウータンっぽさと女性らしさが見事に描かれておりますね~
これは新感覚ですよ…ウータン女子にきっちり恋物語を感じているんだもの。
はっ…!?
そういえばオラミちゃんは随分顔が広い様子ですが…もしかしてフランジって奴でしょうかいやまさか。
フランジ…それはオランウータンの雄が自身の強さを感じる事で膨らむ顔のコブと言われていたような。
つまり…強い雄の証。
雄…こんな乙女チックなオラミに限ってあろうはずがない。
ないですよね?
でも最後になんか雄だったみたいとかそういうとんでもない展開だったらどうするだ?
ないと言い切れない所が恐ろしい。
1話目にしてどう受け止めたら良いのかわけわからんポイントが盛りだくさんなこの感じ…良いですね。
オラミのお友達
フリル
種族は猫だろうか。
見た時思いましたよね、可愛いキャラいるじゃない!なしてオラミ!?って。
フリルという名だけあってフリフリの可愛らしい衣装が似合いそうなお人形みたいなお友達。
まさか自身を映えさせるためにオラミを…なんて思いもしましたが話を追ってみたらこれぞ親友ってくらいガチ親友にござった。
そんなフリルも昔は世間に対して斜に構えていた。
こんな、見るからに重症だったフリルはオラミの何処までも眩しい聖母のような優しさにあてられて仰天チェンジです。
なるほどアニマルのマリア(聖母)でアニマリアだったわけですね~
ケヴィン
こちらは前述のフリルがオラミに救われたエピソードを聞いた直後のハダカデバネズミのケヴィン君。
二人の友情秘話に素直に感涙出来るピュアな奴。
オラミの失敗の穴埋めに美味い料理を作って胃袋を掴む作戦を考案したりとけっこう協力的。
最初はオラミに料理が出来るのか懐疑的だったケヴィンですが、彼女の作った料理を食べて見事に撃沈。
オラミとフリルの友情秘話と、美味しい料理に胃袋を掴まれたケヴィンはわりと本気でオラミに惚れたっぽいのですが…
俺が胃袋掴まれたかも!とアピールするも秒で「有難うケビン、でもキャッチ&リリースしま~す」と言われちゃう。
もしこの先オラミが失恋してもケヴィンが居てくれれば安心…個人的には失恋保険として頼りにしているキャラにございます。
因みに本人はキャッチ&リリースと言われた事にマジ凹みしてるみたい。
この姿は気の毒なれど…だからこそオラミが困った時は本気で助けてくれそうですよね~
ドンマイケヴィン!
オラミの恋愛アプローチ
さて愉快なお友達に囲まれたオラミの恋路はどのような過程を経ているかというと…
親友フリルのたくらみによって隣人のオジサマ、イツキ教授とお話するきっかけを得たオラミは勇気を振り絞って彼が手に持った花の名前を尋ね…
次の瞬間、恋のスーパーラリアットをぶちかますと…
何がどうしてこうなった。
連載時にここ見た瞬間、読み切りだったかな?って思いましたよねこれは絶対あかんやつ(;’∀’)
と、思いきや自分よりもオラミに怪我が無いか心配するオジサマ…
やだ…このオジサマ素敵紳士過ぎじゃない?と、ウータン女子とシンクロさせられ時めくわたくし。
僕男の子なのに…くやしいっ
これは…惚れますね~自然体で粋なんだもの!
いやはや一時はどうなる事かと思ったぜラリアットして許されるってなかなかないですよ
で、ステップ2!
管理人にオジサマの名前を教えろやと迫ったらアパートの掃除という条件を出され頑張るオラミとフリルちゃん。
頑張りまくった所へオジサマ登場。
二人の仕事に賛辞を贈り、オジサマと談笑するオラミ…その背後でフリルが文字通りオラミの背中を押すわけですね~
もっと近くでお話しなよ☆ミって感じで。
したら躓き転びそうになるオラミ…そんな彼女を抱きとめるオジサマと。
一気に距離詰めてきましたね…GJフリル!
その、次の瞬間
オラミ、トキメキの一本背負いが炸裂です。
えぇ…ここから恋物語になるの?ならないのどっちなの既にダメな方がお強いけどもー!
これにも切れずに実に見事な1本だったと褒めたたえるオジサママジ紳士(´∀`*)
オラミ自身も普通ならラリアットの段階で1発アウトとわかってるんだけど、二度もブチかましたのに全然怒らないオジサマに恋の炎は激しく燃え上がっちゃいます。
恋するオラミのおメメは綺麗ですね~
2度もやらかしてまだ行くんかと思わなくもないけども。
そうだフランジ…わかりましたぞオラミが女の子でありながらフランジを持つ理由が!
好きな子に直面すると緊張してラリアットしちゃうオラミはこれまで数々の男の子をぶっ飛ばしてきたと。
その数を重ねるごとに強さに対する自覚が芽生えちゃって女の子なのにフランジが発達しちゃったのではなかろうか…!
そうなるとオラミはこれ迄恋が叶った試しがないわけで、そんなオラミが本気で打ち込む今回の恋路は応援したくなっちゃうな~
でも読んでる方としては人間のオジサマの方が近しいんですよね。
今後のオジサマの対応はとても気になりますな~!
ふと、アニマリアの世界のオランウータンやらチーターやらオオカミってのは人の特徴みたいなもんで、獣人も人も同じなのかなって思いました。
そんなイメージが合ってる気がしますね~
オラミのハードルもちょっぴり下がるし。頑張れオラミ!
その後、イツキ教授に家まで送られる事になり良い感じに談笑するオラミにペケジローもにっこりしてたらば
そんな二人に向かってブレーキが故障した車が突っ込んでくるではあるまいか!
そしてオラミをかばおうとする教授…ま、まだ恋の悲劇は早いわよ!やめてー!と、思ったら
もうなんて言ったらいいのかわかんないよ…
車の接近に気付いていた教授よりも先に対処した反応速度…相当修羅場を潜り抜けてきたと見たね絶対ただのオランウータンじゃない(;゚Д゚)
さらに言うなれば教授を守るのではなく車の前部をぶっ潰しその進行を阻止するというこの選択…そちらの方がより確実に教授を守れると確信していたからに違いないぜ!
てっきり教授を守ろうとして怪我しちゃうと思ってた僕の乙女チックを返して欲しいよこの展開はマジびっくりだよおもしれぇなおい。
数々のアウトなアプローチを繰り返しつつも、オラミ的にどんどんいい感じになって来ちゃってる(゚Д゚;)
気付けば僕も距離感縮まったな~なんて考えてたわけですが冷静に考えたら絶対無理な状況なんですよね…
それなのになんかいい感じなんですよ!もうこの先どうなるかも自分の常識も何もかもわかんない感じです。
なんだろう、いつの間にか人生って意外と勢いでどうにかなるんじゃねーかな、と本気で考えている僕が居ますよね…
元気でポジティブ過ぎるオラミちゃんのおかげかしら…フリルのみならず読者ペケジローの心までも解き放つとは…オラミ、マジ聖母。
そして、1巻のラストではオラミがついにお隣さんにマジ告白しちゃう。
いやいやいや!
ラリアットも背負い投げも車破壊の衝撃も何もかもがそのままに告白って絶対まだ早いでしょ時期尚早でしょー!
自分的に良い感じだからって教授の気持ちもわからんのにえらいこっちゃで!
勢いだけじゃどうにもならん事もあるんじゃて…!
一体これから二人はどうなっちゃうのぉ?隣さんのお返事がめっちゃ気になるぅ…
なんかイツキ教授の表情がそんな嬉しい感じでは無さそうなのも気になりまするがこれで暫しお預けってそりゃないぜ…
と、いう感じで「恋愛漫画なの…?」と疑問の残る雰囲気で突き進みながらもヒキのコマで感じさせられる焦れったさはまさにロマンス。
こいつぁ完全に心奪われちゃいましたわよねぇ…!
心清らかなモンスター、オラミがぶちかます超規格外アニマルロマンス…おもろいですわよ!