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発売日に購入して最近やっとクリアする事が出来たペケジローですこんにちは。
ゲームのシナリオが原作の雰囲気を激増させちゃう事を期待してのプレイとなりましたが…結果は如何に!?
というわけでどうにかこうにか上手に感想を述べて行きたいと思います。
感想ゆえにネタバレする部分もあると思いますのでご注意を。
それではまず始めに
ゲームとしては如何かしら?
これに関しては極上の探窟家気分を味わう事が出来る仕上がりと言わざるを得ませんねぇ!
例えば初の3層到達時のペケジローは気分が最高潮にございました。
もう少し、あと少しだけ…と浪漫が止められずちょっとずつ進んでいたら言わんこっちゃないよ迷子だよ!
今降りてきた垂直の壁を登り切るスタミナがあるかどうかわからんのだし…進んで活路を見いだすのよペケジロー!と先を目指したらば、なんか3層の門番的な奴が出て来ちゃったり。
勝てるじゃろか…とおっかなびっくり戦ったら意外とあっさり勝てちゃったので気分はもう黒笛でぇーい!
と、いうわけで調子に乗って4層突入。
すると、まさかの腹を下したリコさんと出会っちゃったではありませんか。
え?マジですのん?と混乱しつつ話しかけたらなんか手伝えと言われ、強制的にクエスト発生。
あの…ちょっと待ってください、僕、武器も心もとないし調理に必要な塩が10個程しかなくってですね、そろそろ帰還しないと非常に不味い事になり…
リコ「うるせぇ!行こう!」
ってな感じであちこち連れまわされやっと解放され、
オースへ…オースへ帰るんや…奈落に還るじゃなしに帰るんや!
と、道もわからないのに一生懸命上を目指し進んでいたら塩が尽き、さらにはマップ移動した直後に空腹となりマップの移動が不可能に。
目下は崖。
もう、出来る事は何もない。
あぁ…探窟家ペケジローの人生はこれまでか。
今回の探窟では1級遺物も手に入れたのになぁ…無念!
と、リタイアを選択した時が最高でした。
賃金労働者の少ない自由時間2時間費やした結果が
自らの手により水泡と化した瞬間にございますよ…その瞬間、それまで数多く存在したであろう道半ばで力尽きた探窟家の無念を一瞬で理解しちゃいましたよねぇ
こういうちょいとマニアックな嗜好も満たせると。
とはいえ奈落の中で素材を発掘し、討伐した生物の肉を調理し飢えを満たす行為はシンプルに楽しいし、奈落の風景を初見で眺めて歩くのも楽しい。
地形を把握するごとに探窟の腕前が上がっているように思える所は実に良く同調していると思います。
一探窟家として、アビスへ挑みたいという人にはお勧めな作品にございます。
シナリオは原作の雰囲気を際立たせるか否か
この点に関しては個人的な感想ではありますが、
混ぜるな危険
と思いました。
齟齬が出ないよう頑張ってる感はありましたけども、既にラストダイブしちゃったリコさん達とゲーム主人公を絡めちゃった事で大分厳しい感じ。
メイドインアビスのゲームならリコさん達と交流したいじゃん?というユーザー心理を考慮せにゃならんのも理解は出来ますけども、やっぱ難しかったかなーと思いました。
だが厳しい小姑ペケジローはいろいろ重箱の隅を突く事をやめはしないのじゃぁ!
超絶違和感その1ナナチのアジト
お判りだろうか…
ゲームの階段、そして建屋右のテントっぽい部分の設えが立派過ぎるのです。
対して原作の階段はそれはそれは雑な仕上がり。
とりあえず足を掛けられればいいやって感じ。
しかし、ナナチが幼少期にセレニから攫われ、一般知識等を身に着ける間もなくボ卿の狂った研究の助手として暮らしていた事を考慮すると…原作の在り方の方がしっくりくる。
ミーティの世話をしつつどうにかこうにか暮らせるように住処を拵えているのであるからして…細かい点にまで拘る余裕なんてありゃせんのじゃぁ!
そもそもナナチの可愛さを表現するのはモフモフと口調だけではないのです。
こういう、頑張ったんだけど上手に出来てない。でも本人はいい仕事したと自身をもって生きていて、
なんならちょと年下っぽいリコさん達にお兄さんぶって見せちゃう。
こういう隠し切れない幼さがかわゆいポイント…上辺の可愛さだけ見て喜ぶのは非常に勿体ないキャラ、それがナナチなの!
ハァハァ…年甲斐もなく興奮しちまったぜ。
して、階段やら梁の仕上げっぷりを見るに、ゲームのナナチは大分お利口なナナチにございます。
階段と梁を立派に仕上げるナナチにございますか…
きっとこれはパラレルアビスの物語に違いねぇ!
と考えるには十分な情報ではありますまいか。
他にもハウアーユードコカでジルオさんが監視基地を訪ねた事が有りましたが…
なんと今回は主人公がジルオさんに同行するクエストとして扱われました。
微妙に尋ねる動機も変えてあったような。
荷物いっぱい運ぶから手伝え的な。
それでいて誕生日に死ぬ奇病に関してはゲーム内では微塵も触れておらなんだ。
なんならキユイもずっと元気だったりしてた。
こんな風に、原作の物語と協調させるには厄介な違和感が4層到達移行ジワリジワリと出てきましてな。
4層の不屈の花園に関しても、クオンガタリの汚染発生前の状態で存在。
しかし5層の前線基地に到達するとあれれー?って感じの風景が。
監視基地って確か、ちゃんと建物してた気がするのですが。
それで、こんな光景になったのはレグさんが大暴れした後ではあるまいか?
しかし主人公はプルシュカとファーストコンタクトを達成。
これもまた不都合を生じる描写にございます。
プルシュカと会う。
これはレグ達と彼女が出会う前でなければ実現しませんし。絡んだ後は急展開が待っておりますので。
原作登場時のプルシュカがゲーム主人公と出会った後と考えても、同年代のリコさん達とであってウキウキを隠しきれない様子のプルシュカを思い起こせば違和感を覚えちゃいます。
ゲーム主人公の影が薄すぎたのでプルシュカ自身が無かった事にしたのならばあり得ますけども。
率直に、ゲームのシナリオと原作を交わらせようとすると非常にややこしい感じが出て来ちゃいます。
やはりパラレルアビスの物語と考えゲームを楽しむのが宜しい気がしちゃいました。
プレイ前に想像していたゲーム内容
リコさん達と会う事は無く、主人公は奈落の中で彼女達の名残とも言える品を発見したりして、人からその人物像を聞くに留まる、そんなお話を想像しておりました。
主人公的にはふーんて感じのお話でも、原作好きでプレイした人には良く知ったお話であったりして。
原作未読なプレイヤーも、原作に興味が出るかもですし。
リコさんが無くした探窟手帳をどこかで拾ったり、星の羅針盤を4層でたまたま手に入れたりとかして。
ナキカバネのコロニーでは何かに焼き溶かされた痕跡を眺めたりとか、ナキカバネのステーキを焼いた痕を発見したり。
オットバスが出た所ではリコさん達が暮らした痕跡が見られたり。
ナナチ不在のアジトを見ても主人公は一体誰が暮らしてたんじゃろ?ってなもんですが、プレイヤーは在りし日の光景を思い出して懐かしさに浸ると。
前線基地は再建中で、仮面を新調したボ卿が色々準備してたのにリコさん隊にダメにされてなんか燃え尽きてキャラ変わってたり。
そんな風にリコさん隊の軌跡を懐かしむ物語になると思ってたけど違ったの巻き。
それに加えて原作で気になりつつも描かれていない描写が組み込まれていたらば、原作ファンもプレイ推奨な作品となっていたかも。
しかしながら本作品は探窟家気分を味わえる素晴らしい作品でありますので、メイドインアビスの雰囲気が好きならプレイして損はありません。
2日程度でクリアする凄腕探窟家が存在する中で、30日でやっとこさクリアする凡人探窟家なペケジローではありますが、楽しくプレイ出来たのも間違いのない事実にございます。
リトライ可能な仕様とはいえ、何度詰んだ事か…
そのたびに現実の頭皮に上昇負荷を受け、一体どれほどの毛根カートリッジが犠牲となったのか、そしてどれ程の時間を失ったのか、どちらも数えられませぬ。
でも面白かったんですよねぇ。
僕はまだ白笛となったばかりで、この後もプレイする要素は沢山残ってます。
これからもじっくり慎重にコツコツと遊んでいこうと思いますのよ。
アビス好きならお勧めと言わざるを得ない、そんな度し難しなゲームにございました。